4.視覚の伝導路
たとえば、Aの視交叉の部分で繊維が切断されると右の視野図のAのように両眼の外側が見えなくなります。Bのように左側の視神経の部分で傷害が起きると、視野図のBのように左眼の視覚が傷害されます。Cのように左側の視放線が傷害されると両眼の右半分の視野が傷害されます。
5.視覚の分子機構
光が当たると桿体のシスレチナールがトランスレチナールに変わりオプシンから離れ、オプシンは cGMP-gated Na+ channelを活性化するcGMPを5'-GMPに分解します。これにより cGMP-gated Na+ channelはストップし、Na+-K+ポンプによって細胞内ナトリウムがくみ出されます(過分極)。これによってグルタミン酸の放出は止まり、EPSPが発生し視神経はシグナルが伝達されます。暗くなるとトランスレチナールはシスレチナールになり、オプシンと結合します。1光子によって活性化されたロドプシンは大量のcGMPを分解するので(光信号の増幅)、桿体細胞は非常に光に敏感です。 色覚(Color Vision); 錐体細胞には3種類のヨドプシン(Iodopsin)があります。ヨドプシンはレチナールは共通ですが、結合しているオプシンはアミノ酸配列がちがい、青(420nmに吸収のピーク)、緑(531nm)、赤(558nm)の3種類があります。これら3種の錐体細胞によって色を感じることができます。人が見える色は赤、青、緑の3種類の色の混合です(3原色)。オプシンはG蛋白共役受容体の1種です。
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